用語集

介護・福祉関連の基礎用語から難しい用語までなるべくわかりやすく解説していきます。

あ行

・「アセスメント」
アセスメントとは、介護の利用者が解決すべき課題を正しく知り、把握することをいう。
アセスメントはケアマネジメントの過程のひとつで、ケアマネジメントに先立つ第一段階において行われる。具体的には利用者ご本人や家族から、心身の状況、家庭・生活環境などのヒヤリングや家屋調査を実施し、自立支援のために必要な課題を導き出す。動作状況の把握においては、利用者の生活空間となる室内、階段、トイレ、浴室、屋外など、場所ごとに状況を確認しながら行う。
・「うつ病」(うつびょう)
うつ病とは、不安感が強く、落ち込んだ気持ち、物事への興味・意欲の喪失などが続く病気のこと。精神的・身体的ストレスや様々な理由から脳の機能障害が起き、仕事や生活にも支障をきたす。
つねに悲観的・絶望的な感情に支配され、自己を否定するなどの「こころの症状」のほか、疲労感、食欲不振、不眠など、身体的な症状を伴うことが多い。年齢を問わず発症するが、初老期に発症する「更年期うつ病」や、高齢期の「老人性うつ病」もある。
・「嚥下障害」(えんげしょうがい)
嚥下障害とは、病気やケガの後遺症や加齢などが原因で起こる病気のひとつ。食べ物や飲み物がうまく飲み込めず、むせたり喉につかえてしまう状態を指す。嚥下障害は、誤嚥性肺炎などを引き起こす要因となることが多いため、嚥下障害の症状が出た場合は、食事形態にとろみをつけるなどの工夫をしたり、医療・介護従事者の指導によって嚥下体操などを実施し、誤嚥を予防する。

か行

・「臥位」(がい)
臥位とは、人が横になっている(寝ている)体位の総称のこと。状態によって、下記のように区別される。
仰臥位(ぎょうがい)→上を向いて寝ている状態
側臥位(そくがい)→身体の片側を下にして横向きに寝ている状態
腹臥位(ふくがい)→下をむいて寝ている状態。伏臥位とも書く
・「ケアカンファレンス」
ケアカンファレンスとは、利用者へのよりよい介護・看護・医療の提供のために、各専門スタッフが集まり話し合いの場を持つこと。
主に入院先で今後の退院に向けてのサービス導入を検討する際に行うことが多い。
・「ケアプラン」
ケアプランとは、介護を必要とする人に対する介護計画のこと。介護を受ける側の状態やニーズに合わせ、適切な保健・医療・福祉の各サービスが提供されるように、具体的なサービスの種別や回数を決める。ケアプランは主にケアマネージャーが作成するが、要支援の利用者に対しては地域包括支援センターでも作成できる。なおケアプランの内容は、利用者の身体症状の変化に応じてその都度見直しを図る。
・「ケースワーカー」
ケースワーカーとは、身体上や精神上などの理由により様々な困難を抱え、日常生活を送るうえで援助を必要とする人に対し、解決のための相談に乗ったりや支援を行う専門家のこと。具体的には公的な福祉事務所の相談員や生活保護受給者の担当員を指す。
・「言語聴覚士(略称:ST)」(げんごちょうかくし)
言語聴覚士とは、言語・聴覚・発声・嚥下などの機能に障害がある人ができるだけ自分らしい生活を送ることができるよう、検査、訓練、指導、助言を行う専門職のこと。
なかでも高齢者に対する嚥下の訓練などは、生活機能の維持・向上のために非常に大切なので、言語聴覚士の役割はとても重要である。
・「健側」(けんそく)
身体に障害がある場合の、障害を受けていない側を「健側」という。逆に麻痺などの障害が残る側を「患側」という。身体の片側に障害がある人のケアを行う際、例えば階段を昇るときには麻痺のない健側から足を出し、降りるときには麻痺の残る患側から足を出す。

さ行

・「サービス担当者会議」(さーびすたんとうしゃかいぎ)
サービス担当者会議とは、利用者のサービスに関わるサービス事業者が集まり、
それぞれの専門的な見地からサービス内容が妥当かどうかを検討する会議のこと。
サービス担当者会議はサービスの援助過程中に行われ、ケアマネージャーによって開催される。
・「作業療法士(略称:OT)」(さぎょうりょうほうし)
作業療法士とは、作業療法を通して身体や精神に障害を持つ人の日常生活復帰、社会適応に向けての訓練・指導を行う専門職を指す。
食事・着替え・排泄・入浴を行うための訓練をはじめ、手芸・工作などの作業によって、日常生活に関わるさまざまな動作を改善し、本人が望む生活を支援・指導する。仕事や学校などに社会復帰させることだけでなく、高齢者の生きがいづくりや、心理的・精神的な適応への援助など、利用者の「からだ」と「こころ」に寄り添いながらサポートしていくことが作業療法士の役割である。
・「残存機能」(ざんぞんきのう)
残存機能とは、身体に機能障害がある人が持つ残された機能のこと。
例えば歩行機能が残る、あるいは期待できる人に対して車椅子を使用することは、残存機能を奪ってしまうことにもつながると考えられる。
そのため介護用品の選定に関しては、残存機能について十分に把握したうえで選択する必要がある。
・「自助具」(じじょぐ)
自助具とは、身体が不自由な人が、日常の生活動作を便利かつより容易に行うことができるように工夫された用具のこと。
例えば食事に関する自助具では、利用者が握りやすいようにグリップが付けられたスプーンやフォーク、小さいものがつかみやすいピンセットタイプのものなどがある。
・「社会福祉協議会」(しゃかいふくしきょうぎかい)
社会福祉協議会とは、社会福祉活動を推進することを目的とした民間の組織のこと。
社会福祉協議会は日本全国すべての都道府県、市区町村に設置されており、営利を目的としない。
地域住民、ボランティア、福祉や保健の関係者・関係機関などの協力のもと、
地域の人々が安心して生活できる町づくりのために、さまざまな活動を行っている。
・「手段的日常生活動作」(しゅだんてきにちじようせいかつどうさ)
手段的日常生活動作(略称:IADL)とは、炊事・洗濯・掃除、買い物、電話をかける、家計を管理するなど、日常生活を送るうえで必要となる応用的動作や活動のこと。
一方で、食事・排泄・入浴などは日常的な基本動作(略称:ADL)とされ、手段的日常生活動作とは区別されている。
とはいえ手段的日常生活動作は基本動作と同様に、利用者が自立して生活するために必要な動作であるため、自助具の使用や住環境の整備などによって利用者の残存能力を引き出し、自立を促すことが重要である。
・「生活の質」(せいかつのしつ)
生活の質とは、それぞれの人々が自分らしい生活を送り、幸せを感じられるための概念を指し、QOL(Quality of Life)とも称される。
生活の質にはさまざまな要素があり、健康状態や心身機能のほか、個々の満足感、幸福感、安心感、安定感など、環境的因子、個人的因子といった価値観も含まれる。
・「清拭」(せいしき)
清拭とは、入浴やシャワー浴ができない人の身体を蒸しタオルなどで拭き、全身の清潔を保つことをいう。清拭は身体の清潔を保つだけでなく、マッサージ効果もあるため、血流の改善も期待できる。
・「ソーシャルワーカー(略称:SW)」
ソーシャルワーカー(SW)とは、専門的な知識とスキルによって、利用者に対し社会福祉援助を行う専門職のこと。
ソーシャルワーカーは、利用者の状況に合わせて社会的制度や福祉制度の情報を伝え、利用者が自己判断できるよう導く。
どのような制度を利用するかどうかの決定権は利用者と家族にあるが、その決定に従うだけでなく決定の背後にあるものも理解・把握したうえで適切なサポートを行うことも、ソーシャルワーカーの大切な仕事のひとつである。
・「足浴」(そくよく)
足浴とは、足だけを温かいお湯につけて洗う入浴方法のこと。
利用者の状態に合わせて、ふくらはぎから下部分をお湯につけて行う。
寝たきりの方をはじめ、体力が低下した方、高血圧の方への負担も少ない。足を清潔に保つほか、足の疲れを取ったり、血流促進によってリラックス効果や安眠効果もあるとされる。

た行

・「ターミナルケア」
ターミナルケアとは、死期が近づいた人に対するケアのこと。
延命治療を目的にするのではなく、残された時間を少しでも穏やかに過ごし、安らかに死を受け入れることができるように、痛み、不安、ストレスなどの身体的・精神的苦痛を和らげ、利用者の生活の質を保持するケアを行う。
・「大腿骨頸部骨折」(だいたいこつけいぶこっせつ)
大腿骨頸部骨折は、高齢者に多い代表的な骨折のひとつ。
大腿骨の付け根が骨折するもので、転倒によって起こることが多く、骨粗鬆症の影響で骨がもろくなっていることが背景にあるとされる。高齢者の場合、大腿骨頸部骨折がきっかけで寝たきりや認知症になることも多い。
・「床すれ」(とこずれ)
床ずれとは、背中や腰、足の一部の組織が壊死した状態を指し、褥瘡(じょくそう)とも呼ばれる。
背中・腰・足などの骨の突出部分が長時間圧迫されることによる血流の悪化、皮膚や衣類の汚れ、栄養の偏りなどが原因とされ、寝たきりの人に多い。予防にはオムツの交換時や食事の前後などのタイミングを利用して2~3時間ごとに体位を変えることが有効とされる。体位変換には、介護保険の適用となるエアーマットや体位変換器も利用できる。
・「トランスファー」
ベッドから車椅子など、同一平面ではない場所に利用者を移乗させる動作をトランスファーという。
ベッドから車椅子に移乗させる際には、移乗ボートなどを使用することで介護者の負担が軽減される。移乗ボードは介護保険の適用となる。

な行

・「日常生活動作」(にちじょうせいかつどうさ)
人が独立して生活を行うための基本動作のことを、日常生活動作(略称:ADL)という。具体的には、食事・排泄・歩行・入浴・更衣などを指す。
病気やケガなどで障害が残る場合も、福祉用具・自助具の使用や住環境の整備などで残存能力を活用して、損なわれた機能を補う工夫をすることが、ADL障害の対応のポイントとなる。

は行

・「バイタルサイン」
バイタルサインとは、生命兆候のこと。
人が生きていることや生命活動を表すしるしで、体温・呼吸・脈拍・血圧などの数値、意識レベル・排泄・食欲・精神状態などを指す。
・「廃用性症候群」(はいようせいしょうこうぐん)
不活動状態により、身体的・精神的機能が低下することを廃用性症候群という。
廃用性症候群は、日常的な活動量の減少、活動内容の質の低下、社会参加への抑制などによって生じる。寝たきりや運動不足、人との交流機会減少などが主な原因となり、生活不活発病ともいわれる。
・「バリアフリー」
住宅や公共の道路、建物において、高齢者や障害を持つ人がスムーズに利用できるよう工夫をこらす考え方・環境整備をバリアフリーという。バリアとは障害という意味。
例えば身体が不自由な人が車椅子や歩行器を使用している際、階段や段差があると自力では進めなくなってしまうが、そこに段差解消のためのスロープやエレベータを導入することで、無理のない移動が可能となる。
・「フェイスシート」
介護・医療のサービスを提供するうえで必要となる基本データ(記録)を、フェイスシートという。
フェイスシートは個別援助における面談時に作成され、利用者の氏名・性別・生年月日・住所・健康状態・家族構成などが記載されている。利用者へのスムーズなサービス提供のために、必要なデータはサービスに関わる職種間で共有する。
・「補装具」(ほそうぐ)
補装具とは身体に障害がある人が、スムーズかつ快適な日常生活を送るために使用する道具のこと。
補装具は医師の判定をもとに、身体の欠損や失った身体機能を補完・代替するもので、身体に装着(装用)して使用する。具体的には、盲人安全つえ・義眼・眼鏡、補聴器、義肢、装具、座位保持装置、車いす、電動車いす、座位保持いす、起立保持具、歩行器、頭部保持具、排便補助具、歩行補助つえ、重度障害者用意思伝達装置などがある。補装具費の支給に関しては、各自治体によって償還払いや受領委任払いがあるので確認が必要。

ま行

・「麻痺」(まひ)
麻痺とは身体の一部が機能しない(動かない)状態をいう。病気やケガなどの後遺症によって生じることが多い。
麻痺の症状・部位はさまざまだが、介護現場においては手足の片側が麻痺する「片麻痺」という状態が多くある。片麻痺の方に関しては症状により使える福祉用具が異なるため、商品を選ぶ際には利用者の状態を把握しておくことが必要不可欠である。
・「モニタリング」
介護分野におけるモニタリングとは、ケアプランの実施状況を把握・評価することを指し、ケアマネジメントの過程のひとつである。
介護現場では、サービスに関わる関係者間のモニタリングによって、ケアプランにおける介護サービスの実施状況や目標の達成度合い、背景などを分析・評価・共有し、必要に応じてケアプランを修正する。また、モニタリングで得た情報はケアマネジャーに報告し、関わりのあるサービス事業所などと情報を共有する。

や行

・「ユニバーサルデザイン」
年齢や障害の有無、性差などにかかわらず、すべての人が利用できることを前提としてデザインする考えを、ユニバーサルデザインという。ユニバーサルデザインは、製品・建物・環境などさまざまな場面で用いられる。

ら行

・「理学療法士(略称PT)」(りがくりょうほうし)
理学療法士(PT)とは、障害を持つ人が、日常生活を送るうえで欠かせない運動機能の向上のための機能訓練・指導を行う専門職を指す。
機能訓練は、治療体操、運動、電気刺激、マッサージ、温熱療法などを用いて行われる。起居動作、歩行などの基本動作能力の向上だけでなく、関節の動きの維持、筋力・体力を衰えさせない予防への指導を行うことも理学療法士の役割である。
・「離床」(りしょう)
離床とは、寝た状態で生活していた人が少しずつベッドから離れ、生活範囲や機能を広げていくこと。
離床することで生活全般にメリハリをつけ、運動不足や寝たきりになることを防ぐ。
・「るい痩」(るいそう)
るい痩とは、痩せの程度が著しく病的にやせてしまう状態をいう。
寝たきりの人がるい痩になると、脂肪量の減少によって骨が突出して床ずれ(褥瘡)の原因となることが多い。またるい痩は、体力低下、むくみ、免疫機能低下などにもつながりやすい。
・「老人性難聴」(ろうじんせいなんちょう)
加齢によって耳が聞こえにくくなることを老人性難聴という。内耳から大脳の聴覚中枢までの過程が加齢によって老化することによって起こり、女性よりも男性に多い。
老人性難聴によって耳が聴こえづらくなると、会話が減り、認知症の発症につながることもある。老人性難聴が軽度の状態から補聴器を使用したり、介護者や家族が話しかけの工夫をすることで、老人性難聴の進行を防ぐことも重要である。

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